1 誤 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。 ② 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。(1028条1項前段、2号)よって、BはA所有の建物に相続開始時に居住していることが要件となる。
2 誤 配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。(1030条) 597条1項及び3項、600条、613条並びに616条の2の規定は、配偶者居住権について準用する。(1036条)よって、616条の2の規定により、居住建物の全部が滅失したときは、配偶者居住権は終了する。
3 誤 居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。(1031条1項) 605条の規定は配偶者居住権について、605条の4の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。(1031条2項)よって、不法占拠者への妨害排除請求もすることができる。
4 誤 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。また、配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。また、配偶者が1032条1項又は3項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。(1032条1項前段、3項、4項)よって、居住建物の改築時に、所有者の承諾を得ない場合も、その配偶者居住権を消滅させることができる。
5 正 居住建物が修繕を要するとき、又は居住建物について権利を主張する者があるときは、配偶者は、居住建物の所有者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。ただし、居住建物の所有者が既にこれを知っているときは、この限りでない。(1033条3項)