ア 〇 (裁判官の裁判行為と国賠法1条1項 最判昭57.3.12)
イ 〇 (検察官の公訴提起等と国賠法1条1項 最判昭53.10.20)
ウ ✕ 「国会議員は、立法に関しては、原則として、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないというべきであって、・・・国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けないものといわなければならない。」(国会議員の立法行為と国賠法1条1項 最判昭60.11.21)
エ ✕ 「犯罪の捜査及び検察官による公訴権の行使は、・・・犯罪の被害者の被侵害利益ないし損害の回復を目的とするものではなく、また、告訴は、捜査機関に犯罪捜査の端緒を与え、検察官の職権発動を促すものにすぎないから、・・・反射的にもたらされる事実上の利益にすぎず、法律上保護された利益ではないというべきである。・・・国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求をすることはできないというべきである。」(検察官の不起訴処分と国賠法1条1項 最判平2.2.20)
オ ✕ 「国会議員が国会で行った質疑等において、個別の国民の名誉や信用を低下させる発言があったとしても、これによって当然に国家賠償法1条1項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任が生ずるものではなく、・・・国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とする。」(国会議員の質疑等と国賠法1条1項 最判平9.9.9)
以上より、正しいものはアとイなので、正解は1である。